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『超かぐや姫!』感想:速くて薄くてエモくて浅い。面白くないのに退屈しない奇跡。

『超かぐや姫!』ネタバレ感想。好きな人にはごめんなさい。結論、つまらなかったという話をしています。

『超かぐや姫!』感想

Netflixで話題&劇場版の客入りも順調とのことで鑑賞。

評判通りの多幸感アニメだった。

 

体感速度は1.25倍

とにかく展開の早さには目を見張るものがある。

これまでのアニメ史(というかサブカル史)を下敷きにすることで説明を大胆に省略し、常時1.25倍速のような体感を演出している。

よくできた異世界転生作品のように、最初から最後まで予定調和で、居心地の良い多幸感がずっと続いていく。

 

キャラクターデザインや映像は、「推しの子」や「原神」「アークナイツ」のような赴き。

ちょっぴり中華系みも感じる。

世界観は、細田守系のSFファンタジー要素や攻殻機動隊、マクロスF、ソードアート・オンラインなどのメジャーIPと、ボカロ文化など近年のサブカル要素のごった煮という印象だ。

 

最初に1.25倍速に見えると書いたが、本作には「一般教養」として説明が省略されている要素がとても多い。

バーチャル世界の描写が顕著だが、ApexやLeague of Legends、原神のような世界観やシステムを一切の説明なく展開させている。

バトルを音ゲー風に表現している場面もあった。

ゲーム内通貨がリアル世界ともつながっているという世界線も、近頃ではすっかり市民権を得た設定だろう。

 

本作は、これまでに先人たちが培ってきた要素を、竹取物語という太古のIPにぶち込んで、今風のルックに仕上げた作品だと言える。

これをロジカルにビジネス的な計算で、狙って作っているのはすごいセンスだ。

あと、主人公の金に困っている生活ぶりから頭の良さ、近未来の世界観に至るまで、「説明セリフをそぎ落とす」が徹底されていて、それが物語に加速感を与えつつも、分かりにくさが皆無だった点は見事だった。

速くて薄くてエモくて浅い

本作には、様々なサブカル要素がちりばめられ、どこかで見聞きしたような世界設定が随所に織り込まれている。

過去のメジャーな作品群からエッセンスを抽出して作られているので、多少、説明不足でも観る側で勝手に頭の中で補完しながら観ることができる。

「お約束」が散りばめられているから、説明は最小限でいい。

結果的に、高速での物語の展開が可能になる。

 

キャラクター造形は記号的で、複雑な葛藤や感情のゆらぎはない。

基本はオーバーリアクションで、表情変化は目まぐるしい。

とにかく「目を退屈させない」ように、細かいカットが数珠繋ぎのようにして作られていて、脳が映像情報で次々と満たされる。

 

物語に押し付けがましい思想やテーマもない。

美少女がイチャイチャする眼福な映像と、エモいフレーバーストーリーが無尽蔵に流れ込んでくる。

設定やら世界感やらに借り物っぽさがあるのは否めないけれど、本作において、唯一、発明があるとするならば、「飲み込みやすい物語を、異常にテンポよく展開する」という、ハック的な手法なのかもしれない。

「面白くないのに、退屈しない」すごさ

本作がヒットした背景は、作り手が推し活文化をハックしたからだと思う。

そのこと自体はすごい。

でも、内容はまったく面白くない。

そしてさらにすごいのが、面白くないけど退屈せずに観れてしまうことだ。

これはショート動画で時間が溶ける感覚に非常に近い。

本作の感想の多くが、ケーキを食べてはっきりと「美味しい」と言わずに「幸せな気分になる」みたいなフワフワしたことを言っている感じなのは、そういうことだと思う。

最後に一言

細田守がハムレットを翻案して『果てしなきスカーレット』を作ったものの、話が良くわからんと酷評されて興収も期待外れになっていたが、本作はかぐや姫を翻案して、脳を喜ばすことに全振りした作品を作り、興収的にも成功している。

コンテンツビジネスも、やはりサービス業なんですね…

何かもう辛すぎて言葉が出ない。

 

本作に、全体的な物語の流れや雰囲気が似た作品として、細田守の『サマーウォーズ』『竜とそばかすの姫』がある。

同じくNetflixで観れるので、観たことないという方はぜひ観ていただきたい。