2025年の上半期に観た映画をランキング形式で30作品紹介しています。

劇場で観たものと配信で観たものが混ざってますが、一覧化して点数とひとくちコメントをつけてランキング形式にしてみました。
個別作品の感想記事では、その映画の面白かったところにフォーカスして書くことが多いですが、こちらは観た映画全般を並べて俯瞰的な評価をしています。
同じ点数の場合は、上位にあるものほどお気に入りです。
※執筆時点で観ていた作品のみ対象にしています。1年通じたランキングはまた別の機会に
95点以上(最高!)
無条件にお勧めできるすごい映画。
年に1〜2本しか観ないなら、ぜひこれを優先的に観て欲しいという感じです。
国宝:97点

これぞ邦画。映像美に、役者さんが演じる人間の熱。
全体を通じて迫ってくる大きなテーマも見事に描き切られており、完成度が高いです。
このレベルの作品は、そうそう出てこないと感じました。
特に、曽根崎心中のくだりは、あまりにも見事すぎる演出でした。
F1(エフワン):95点

“アート < エンタメ”の作品のなかでは最高クラスの作品。
ひたすらにずっと楽しい。
ブラピの演じる元天才ドライバーが魅力的すぎる。
トップガン・マーヴェリックの製作陣による作品だが、同作以上にエンタメとしての完成度は高いと感じました。
90点〜94点(すごく良かった)
映画として見るべきところがあって、全体の完成度も高い作品(もしくは欠点を消すくらい良いところがある)
ジャンルの垣根を越えて、お勧めしたいという感じ。
教皇選挙:94点

テーマが選挙なので、根回しや派閥といったお馴染みの要素もあるが、キリスト教ならではの事情も含まれていてそこが面白い。
教皇職は負担が大きいため、必ずしも皆がやりたいわけではないとか、宗教的なものであるゆえなのか、自分から手を上げるような輩にはふさわしくないという見方があったりだとか。
最大の見どころは、前教皇は一体だれを時期教皇として推したかったのかということ。その視点を意識しながら観ることで、この映画は一段階、面白さが上がると感じています。
前教皇は皆から慕われる存在として描かれているのですが、彼が残したとあるものから想像するに、彼の信じる「信仰」「教皇に求める資質」が意外とグロテスクなものであることに思い至ってしまい、なんとも言えぬ後味の悪さがもたらされ、ものすごい映画を観たという余韻が残ります。
ルノワール:93点

世間的には前作のPLAN75のほうが評価は高いのではないかと思います。
ただ、個人的にはこっちのほうが好きかもしれない。
11歳の少女の視点がとても生々しい。
大人として出来上がっていく途中の人間の様子を見せられている感が強く、楽しい内容ではないはずなのに、不思議と見せられる感覚があります。
ドールハウス:92点

ホラーとして観るか、スリラー的なものとして観るか、その人によって楽しみ方や読後感が変わってくる気がします。
よくあるホラーの枠組みには収まらない意欲作。
珍しく、もう一回観ても面白い気がしたので個人的に評価が高い作品です。
フロントライン:91点

映画としての単純な面白さで言えば、88点くらいだと思います。
ですが、この映画はコロナを体験した人にとって、単なる映画ではなく「あの時」を追体験するタイムマシーン的な、特別な体験になります。
この映画でしか体験できないものがあるという意味で、おすすめ度は高いです。
ただ、一部の当事者の方からはネガティブな感想も漏れてきているようで、やはりエンタメとして創る以上は、美談に偏った構成にならざるを得ず、こぼれ落ちた事実も数多くあったのでしょう。
ただ、これは映画であって、行政のPDCAのための記録映像ではないのだから、一般の人があの時を振り返って、いまこれを映画館で観れていることの幸せを感じられるなら、それで良いではないかと考えます。
そういう意味で、本作の描かれ方を支持したいと思います。
か「」く「」し「」ご「」と「 :91点

予告だけ観ると、ちょっとぼやけた印象というか、ぐずぐずした恋愛ものに見えなくもないけど、実は全然違って、見ていてやきもきすることはほぼないです。
主人公5人の友人・恋愛模様を純粋に応援しながら見れる青春群像劇。
さらに恋愛を超越したドラマ的な深みもあって、良い意味で後を引きます。
参考までに、同じ住野よる先生の原作で言うと、「君の膵臓をたべたい」は、自分的に96点くらい。「青くて痛くて脆い」は93点くらいの感覚です。
決して軽いテーマではありませんが、この3作品の中で言えば、一番カジュアルに楽しめるのが本作だったと思います。
ネムルバカ:90点

好き度で言うと今年前半No.1。
仲の良い親友2人が、人生における方向性の違いから、別々の道を行く青春ストーリー。
映画のために書き下ろされた楽曲「ネムルバカ」が素晴らしく、映画の説得力を飛躍的に高めてくれています。
片思い世界:90点

この映画はプロモーションを完全にミスった映画だと思っています。
女の子3人が主人公で、タイトルが「片思い世界」だから、3人が1人の男性を好きになって、みんなが片思いしてるみたいな息苦しい恋愛映画っぽく想像していたけど、実は全然違いました。
実は3人ともすでに死んでいて、幽霊のような存在になっているという設定の映画なんです。で、これは映画が始まってすぐに明かされる事実なのでネタバレでもなんでもなく、これがわかってからがこの映画の切なさ&エモさの真骨頂。
恋愛ではなくSFドラマなので、予告編でそこが伝わらなかったことが惜しい。
興味を持った方はぜひ観ていただきたいです。
面白いところだけ切り出せば93、94点くらいに感じる作品でした。終盤に、そりゃないよ、というあまりにもリアリティの薄すぎる展開が挟まったことで、ややテンションが下がってしまったこともあり、この点数に落ち着きました。
ただ、それを差し引いてもいい映画です。
でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男:90点

ルポルタージュ作品が原作の映画。
善良な先生が殺人教師として世間の非難を浴びるという内容で、本当に事実なのかと疑いたくなるような展開に惹き込まれる。
是枝監督の「怪物」と似た事件が描かれており、両者の描かれ方の違いに着目して観るのも面白い作品。

アプレンティス ドナルド・トランプの創り方:90点

驚くほど、トランプ氏に似ています
ドナルド・トランプの誕生秘話とでも言うべき作品。
現在のトランプ大統領はいかにして生み出されたのか。
実は、彼が大好きな「ディール」をはじめとした、敵を圧倒する戦術・振る舞いの基礎を教え込んだ、師匠となる存在(悪徳弁護士のロイ・コーン)がいたという話です。
二人の関係は、大魔王と魔王の関係と言いましょうか。
師匠と弟子で、トランプが弟子なのですが、それは尊敬や年功などではなく、シンプルな力関係による序列であることを、まざまざと見せつけられます。
ラストシーンのトランプとロイ・コーンのやりとりは見ものです。
同じように師弟関係を描いた「浅草キッド」と比べると、トランプの冷徹で慈悲深い様が際立って感じられます。たけしは情に厚いけど、ある意味で無自覚な残酷さがあるのです。
サンセット・サンライズ:90点

クドカンらしい優しい目線で、震災から立ち上がる人々の姿を描いた力強い作品。
コロナはややネタ化しているのに、東北の震災はまだ風化していないという描かれ方が、被災地ならではと感じました。
コロナを真正面から描いた「フロントライン」が、文字通りコロナの最前線を描いた物語なら、「サンセット・サンライズ」は、あのとき最もコロナから遠かった世界を描いた物語といえるかもしれません。
85点〜89点(良かった)
粗が見えたり、物足りない部分があったりしたものの、映画全体としてはとても楽しめた作品です。人にお勧めする場合は、その人の好みに合いそうならお勧めしたい感じ。
サブスタンス:89点

テーマと思い切った表現が噛み合っていて、映画としてのレベルが高い。
ただ、後半の演出はやりすぎでした。
ホラーフェスティバルとしては100点だけど、映画としてはちょっとやっちゃったな、という感じもあります。
2時間かけて描いた絵画を、最後に監督自らぶち壊すところまで含めてアートです、という感じの作品。
パディントン 消えた黄金郷の秘密:89点

こんなにオシャレでセンスのいい作品はそうはありません。
毎シリーズ背景美術が素敵です。
今回はパディントンの原点に迫る物語で、ストーリー的にも見応えがありました。
ラストシーンは最高だったものの、そこに至るまでの終盤の展開や設定もろもろに、やや粗さを感じて、前作ほどではなかったかなぁと思ったのでこの点数です。自分としては2が一番好きです。
ゆきてかえらぬ:89点

深い魅力は感じたが、映画として見せるには苦しいところもあるので、点数をつけるということであれば、この辺りに落ち着くのではないかと思います。
でも、お勧めです。
男二人の奇妙な関係が、間に入った一人の女性を通じて描かれます。
時間に余裕があるときにゆっくり楽しんでいただきたい映画です。
ミッション:インポッシブル/ファイナルレコニング:88点

シリーズ集大成としてしっかりまとめてくれたという意味では100点以上。ラストのシーンは、万感の想いが押し寄せてファンならウルッときます。
でも、過去作との比較で言うと相対的にこんな感じかな、と。
シリーズの中で比較すると、いまひとつな出来栄えかもしれません。
メガロポリス:88点

巨匠コッポラ監督が私財を投げ売って製作した大作。
自腹で作っているだけに好き放題やっていて、映像がむちゃくちゃゴージャス。
一方で、主張のクセも強く、コッポラ共和国のプロパガンダ映画と言っても過言ではありません。
監督が好きな人は何だかんだで楽しめると思いますが、年に数本しか映画は観ないという人には、絶対にお勧めできない特殊な作品でもあります。
ビーキーパー:88点

序盤で知人がひどい目にあわされて、元特殊工作員の主人公が報復にいくという脳筋な筋書き。
ただ、この手の作品のなかではずば抜けて出来がいい。
ストーリーがシンプルでゴテゴテしてないので、純粋に主人公が大暴れするのを楽しめる。
敵になるのが詐欺集団や政治家の放蕩息子といった分かりやすい悪者なので、そいつらが痛い目にあうのは爽快感があります。
サンダーボルツ*:87点

やや原点回帰的なつくりで、評価するマーベルファンが一定数いることに共感しつつも、今回の凡人たちの戦いは、マーベルの良さを捨てているようにも感じました。
センターのいないアイドルグループみたい。ちゃんみながプロデュースしたガールズグループ「HANA」とコンセプトが重なるような印象も受けます。が、なおさらマーベルの狙うところがそこで良いのか疑問が残ります。
自分の好きなマーベル作品は、アイアンマンとかキャプテンマーベルのような、規格外の強さを持つヒーローの活躍っぷりを描いた、爽快感のあるもの。
その点からするとちょっと物足りなさが残ります。ただ、これは好みの問題が大きいかもしれない。
ドラマ重視だとするなら、サンダーボルツにもつながるストーリーの「ブラック・ウィドウ」で描かれた家族の再生物語のほうが、感動的で完成度も高かったように思います。
リロ&スティッチ:86点

良い映画であることは間違いないが、子ども向けがベースなのだと思います。
子どもにとって面白い映画で、なおかつ大人も楽しめる、という印象。
大人を喜ばす深みのある物語展開は、あえて描かないことが選択されているように思えました。

Flow:86点

セリフがないアニメーション。
擬人化された動物ではなく、動物がちゃんと動物のリアリティを残したまま動くので、動物同士が本当にコミュニケーションしているように見えるのがすごいです。
ストーリー的には、ノアの箱舟がモチーフになっていそうな世界観。
洪水が起きて地表の多くが水底に沈んだ中、動物たちが一つの船に乗って目的地を目指すというもの。
セリフなしにもかかわらず、いま何を目指しているのか何をしたいのかがしっかり分かるのは流石で退屈もしないのですが、手放して面白いかと言われると微妙なところも。
人によって世界観をどう捉えるかは解釈が分かれそうですが、個人的には、人が動物になってしまった世界のようにも感じました。
物語の中で宗教的なモチーフも登場します。
もしかすると、主人公たちは何らかの罪を犯した人々で、その罪が許されることが暗示されているような、そうでもないような。。。
主張があるようでないようにも感じるので、そのあたりが少しモヤッとするアニメでした。
私にふさわしいホテル:85点

のんは変わり者の女性を演じさせたら天下一品ですね。
滝藤さんとのコンビもハマっていて楽しく観れました。
新人小説家ののんと大御所小説家の滝藤さんのコメディタッチのじゃれ合いを延々と愛でる映画です。
映画としてはしっかりまとまってるので面白いですが、余韻はないです。
重たい映画は見たくないけど、単純すぎる作品もやだなぁというときにお勧めです。
80点〜84点(まぁ良かった)
順当に面白かった作品。
ただ期待は越えてこない。
興味を惹かれればお勧めします、という感じです。
名探偵コナン 隻眼の残像:84点

コナン映画に期待するレベルには達してるけど、連綿と続いてきた過去作のアベレージが高いので、本作はこんなもんかな、という感じ。
近年の作品のなかでは、映画ならではのお祭り感が薄く、全体的に地味だったかな。
ゴーストキラー:83点

ベビわるに登場した、高石あかりと三元雅芸が主演。
ベビわる以上のガチなアクションを観られるのが魅力です。
期待通りアクションは堪能できましたが、ストーリーはボチボチなので映画の総合点としてはこのくらい。
ベビわるのアクションに惹かれた人は、絶対観た方がいいです。
#真相をお話しします:82点

原作の短編集を1本の物語にまとめた意欲的な脚本なのは面白い。
ただ、小説のショートショートだったら面白いと思う真相(話のオチ)と映画として満足するオチは性質が違うとも思いました。
アイデアの切れ味は鋭いと思うけど、心を揺さぶられる引力みたいなものが弱い印象。
創作者の偏見とか怨念のような、個人的なこだわりが滲むところに映画の良さが出ると感じますが、本作はそれが見えづらいのが残念でした。
遺書、公開:81点

ほぼ教室のなかだけで進行する、ワンシチュエーションの展開。
推理とヒントが繰り返されて真相に迫る展開はかなり面白かったけど、オチが近づくにつれてトーンダウンしてしまう…。
結末がつまらないわけではないが、心動かされる、心揺さぶられる構造になりきってない感じがしました。
同系統の作品だったら、松たか子の「告白」のほうが遥かに面白い。
一番、良くなかったのは最後の終わらせ方です。テレビドラマのような安っぽい終わり方で、読後感がよろしくなかったです。
劇場版 トリリオンゲーム:80点

コンフィデンスマンJPのアイドル版、というにはよく出来すぎているが、ストーリーとしてはベタで驚きのない展開です。
元がテレビドラマだというのもあるけど、スペシャルドラマの域を出ていないかなぁ…。
ただ、ドラマのときも思ったけど、ガク君役の佐野勇斗は、こっちが本体かと思うくらい、この役がハマっているように見えて好きです。
ショウタイムセブン:80点

前半面白くて後半ダレるパターン。
爆弾が仕掛けられて…という、予告編から想像していたような映画ではありませんでした。終始、テレビのスタジオの中で話が進むので、爆弾モノにあるスペクタクル的な要素がなく、すごく地味な映画。
野心家だが落ち目のキャスターを演じる、阿部寛の怪演ぶりは見ものだけれど、物語のオチが弱くて肩透かしぎみなのが残念。
当時、この映画の直後くらいにテレビドラマの「キャスター」が始まって、阿部寛が同じような役をしていたので驚きました。
79点以下(うーん…)
ちょっと合わなかったなぁという作品。
個人的には、あまりお勧めできない感じ。
室町無頼:79点

良い意味でも悪い意味でも、安定の大泉洋。
映画の本来もっている色が消えて、大泉洋の映画になってしまう。
大泉洋は、主演であっても助演的な立ち位置のときに光り輝くと感じます。
(例:「こんにちは、母さん」のようなイメージ。メインはあくまで吉永小百合だった)
大人数での殺陣シーンは圧巻だが、ドラマ展開は時代劇のテンプレ的な内容(虐げられてから、反撃するという構造)なので、途中がやや長ったるく感じてしまったのが残念。
新幹線大爆破:75点

過去作のリメイク。というか続編的な位置づけになる作品。
これを観るためにNetflixに再課金したけど、期待ハズレだったので恨みが深くなっています(笑)
有事に対して組織が対処していく様が描かれます。
ただ、列車に爆弾というネタが、2025年現在だと、あまりにもコスられすぎたネタで新鮮味がなかったです。
爆弾をなんとかするというストーリーラインが決まりきってしまっていることもあり、中弛みが起こってしまった。
明かされた犯人の動機や魅力も不足していたように感じました。頑張って過去作からつなげた感があります。
あと、「のん」の使い方に失敗してるように感じました。のんの宿命だと思うのですが、彼女は生まれ持っての主演女優なので、今回のような抑えた役をやると、脇役なのに目を引きすぎて浮いて見えます。
あと、乗客が騒いでいるのを収めるために、政治家の先生が演説したりするシーンなど、緊迫した話のはずなのに間が抜けていました。
地上波のドラマでよく見かける、職場や警察のチーム内でドタバタやっているような雰囲気になっており、乗客が死ぬかもしれないという緊張感が終始薄いので、集中力が切れてしまいました。
ただ、最後のシーンで、斎藤工が非常時から日常の運行に戻っていくときの表情はとんでもなく良くて、そこだけでも価値があったと思えた作品です。
最後に
2025年の上半期に観た映画を振り返ってみました。
自分のなかで順位付けするために点数をつけましたが、基本的に80点以上は「面白い」と感じた作品です。
すでにサブスクに登場している作品もあるので、気になる作品があれば観てみてください!
