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映画『九十歳。何がめでたい』感想:これは老人版“なろう系”映画なのでは? 〜90歳になってもチート級の元気さと知力があったので、エッセイを書いたらベストセラーになりました〜的な

佐藤愛子先生の実際の書籍「九十歳。何がめでたい」を映画化した作品。

 

アマプラにあったので何気なく観たらめっちゃ面白くて、観終わったあとに気づいたんです。
これ、なろう系アニメと同じ構造じゃん、と。

 

今回は、なかなか暴論な感想文ではありますが、笑って読んでいただけると幸いです。

 

チート級の若さと明晰さを持つ90歳

主人公の佐藤愛子先生が、90歳の設定のはずなのにいくらなんでも若すぎるんです。

この「若い」っていうのは、単純な見た目の話じゃなくて、会話のテンポと声の張りがとにかくすごい。
うちのおじいちゃんも同い年くらいだけど、正直、何言ってるか聞き取れないような滑舌ですよ。
でも、これが普通の90歳オーバーの現実だと思います。

で、びっくりなのが、こんな若々しい90歳おるかい!と思っていたらマジでいたこと。

本作は、作家の佐藤愛子先生が90歳で、編集者の吉川が50歳という設定なのは、映画が始まってすぐわかるのだけど、
主演の草笛光子さんがあまりにも若すぎて、「いやいや、こんな90歳おらんよ」と思い、wikiで調べたら、このお方、撮影当時にマジで90歳くらいだったことを知りぶったまげました。
心臓と脳にヒアルロン酸注射したのかと思うレベル。

彼女が演じる90歳の現役作家という役の説得力がずば抜けて高くて、おばあちゃんなんだけど色気があって、チャーミングなんですよね。なんなら憧れすら抱いてしまう。
いったい、どう生きてきたらこの仕上がりになるというのか。

編集者の吉川(唐沢寿明)が、その人柄や生き様も含めて愛子先生に惚れ込むのも頷けます。

このように、チート級の性能を持つおばあちゃんが主人公になって、現世で無双するという構造が、何となく「なろう系アニメ」を観ているときの爽快感と似ていると思ってしまったのでした。

90歳の愛子さんが、生き生きしている姿を見せて感動させるところがすごい

ある意味ネタバレなんですが、本作は、誰も死なないのが良いところです。

元気なおばあちゃんが出てきて、途中ちょっと具合悪くなったりもするけど、最後のほうがむしろ元気に見えるくらいの終わり方をします。

シナリオ的には、暗い展開を作ったほうが深みを出しやすいと思うのですが、本作は基本的にはずっと明るく賑やかな展開が続いて、それで最後に不意打ちのように、愛子先生から吉川への強烈なひと言が放たれる。

その真っ直ぐさと力強さが胸に響いて感動させられてしまう、という脚本の巧さがあります。

編集者の吉川の眼差しで愛子先生を捉えることで、彼女が亡くなるのではなく、元気に生きていることを喜ばしい、尊いと感じさせて、心を動かすことに成功している。

人生100年といわれる現代を、軽やかに鮮やかに描いた見事な喜劇だと思います。

映画的な見どころもしっかり

物語としては、吉川が熟年離婚されてしまうエピソードが味わい深い。

妻(木村多江)が離婚を決意する後押しになったのが、なんと吉川自身が編集者として世に送り出した書籍「九十歳。何がめでたい」だったという、皮肉が効いています。
人生ってそういうものですよね。仕事が上手くいったせいで家庭が失われたりする。

この1%のほろ苦さが、本作を2時間ドラマではなく映画に昇華させていたと感じます。

あと俳優が恐ろしいほど豪華で、なぜかちょい役にオダギリジョーや石田ひかり、三谷幸喜などが出てきます。

唐沢寿明の演じるクセの強い編集者役が、主役の草笛さんに負けないくらいハマっていたし、上で書いたようなちょいちょい出てくる豪華俳優にも驚かされるし、終始賑やかでパワフルな“めでたい”映画でした。


なろう系アニメでは「何者でもなかった人」が「ある世界では特別な存在」として称賛されるのが通例です。

この映画でも、90歳という社会的には“引退後”の存在である愛子先生が、編集者としてのキャリアを失いかけていた吉川とタッグを組むことで、小説からエッセイへと活躍する世界を変えていきます。

そして、“90歳だからこそ”の言葉で、再び世の中から脚光を浴びるという、二人の生まれ変わり(転生)の構造になっています。

まぁ元々、なろう系のアニメを引き合いに出すまでもなく、元◯◯が△△に来て無双するという展開は、ドラマでよくある構造なのかもしれませんけどね。

でも、あまりに元気すぎる愛子さんを観ていると、生きるエネルギーをもらえた気がしたのです。

そしてそれが、なろう系アニメの効用と似たものに感じられたのでした。