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『オブセッション 災愛』感想:ヒトコワ系に思わせてからの…終盤の急展開が楽しい

『オブセッション 災愛』ネタバレ感想です。

『オブセッション 災愛』感想

内向的な青年ベアは、同僚のニッキーに対して想いを告げられずにいる。

そんな彼は、雑貨店で偶然みつけた「ワン・ウィッシュ・ウィロー」という、まじないグッズを購入し、半信半疑で彼女が自分を愛するように願う。

ここから彼女の様子が徐々におかしくなっていく。

 

最初は、それがまじないの効果なのか、彼女の秘めた事情や風変わりな性格の一環なのかが曖昧に描かれる。

ホラーの種類として、いわゆる「ヒトコワ」路線なのか、しっかり呪術的な何かがあるパターンなのか、どちらか決めかねる展開が続いていく。

この答えを出し切れずに泳がされる感覚が、主人公の心情ともリンクしておりとても良かった。

 

どっちなのか見極めようとしているうちに、それが「マジな呪術」のほうかも!?と分かったときにはもう手遅れなところまで来ていて、あとは最後までノンストップでニッキーの愛情が暴走する。

ときどき、彼女が「素」に戻ったようなリアクションをするのが、スパイスとして効いていた。

これは物語を安易にわからせなくする意味でも効果的だし、恋に臆病なベアの行動を物語的に制御する役割も備えている。

 

ホラーとしての作りはシンプルながら、ニッキーの悲鳴や叫び声をジャンプスケアとして効果的に使用しており、「来る」と分かっていても、何度か鳥肌が立った。

ニッキーを演じたインディ・ナバエレッテは見事な怪演だったと思う。

 

終盤は、若干のスプラッター要素もありつつ、主人公・ベアの置かれた日常が音を立てて崩れ落ちていく。

半分ギャグのようなカオスな展開にもなっていくが、意外にもオチ(呪いの処理)はスマートで、物語としての余韻は悪くない。

本作の白眉は、主人公がまじないに頼らず思い切って告白していたら、物語はまったく違った結末になっていたことを予感させる展開になっていたことだろう。

このひとかけらの切なさが、恋の教訓にもなっているし、物語を実際の内容よりも品よく見せることにも貢献していたと思う。