『新解釈・幕末伝』のネタバレ感想・レビューです。面白かったところと、つまらなかったところを紹介しています。

安定のいつもの福田雄一監督作品。
坂本龍馬をはじめとした幕末の偉人たちが、我々が想像するよりも俗人でチャラかったという「新解釈」に基づいた喜劇作品。
もはや映画であることを放棄し、映画風コントライブと化していました。
ほぼ創作レベルの「新解釈」となっている

坂本龍馬の設定を拝借した現代劇という趣なので、時代性はほとんど感じられません。
茶屋をコンセプトカフェ(メイドカフェのくノ一版)に見立てるなど、ほぼ創作レベルの「新解釈」がなされており、まぁそういうものとして楽しむことが前提になっている作品です。
広瀬アリスの顔芸は、一見の価値あり

全体的には、岩田剛典、広瀬アリス、染谷将太、賀来賢人などが好演しており、彼らが登場するシーンはなかなか楽しく観ることができました。
広瀬アリスは、ドラマの「なんで私が神説教」を観たときにも思ったけど、コメディエンヌ適性が異常に高いし、それを受ける染谷将太のムッツリな演技もさすがで、寺田屋事件のシーンはなかなか楽しませてもらいました。
広瀬アリスの顔芸は一見の価値ありです。
このテンションを持続できれば、お祭りコメディ作品としては悪くない着地をしたと思うのですが、本作に関しては、そこに至るまでの薩長同盟のシーンがひどすぎて、全体の満足度も低下してしまった感があります。
台本がなかったのか?と疑うほどのグダグダ「薩長同盟」

薩長同盟のワンシーンは30分以上(体感時間)あり、ほぼ定点の映像かつ会話も少なめで、変化に乏しく退屈でした。
よほど好きな人でないと、あのシーンは楽しめないと思います。
内容的には、薩長同盟に向けて木戸と西郷が腹を探り合う展開なのですが「ここだけ台本がなかったのか?」と感じるような、寒い即興劇のようなものが繰り返されるだけのシーンとなっていました。
映画が始まってわりと間もないタイミングでこれが来たので、あと1時間半くらいずっとこの調子だったらどうしよう…と絶望したのですが、まぁそうではなかったのが救いです。
こんなことは1年に1回あるかないかなのですが、このシーンについては、数分の間、気絶してしまいました。
福田作品は、全体のコンセプトは嫌いじゃないのだけど、同じことを繰り返させる「くどすぎるギャグ」が時々ぶっこまれており、そこが超絶つまらないんですよね。
薩長同盟のシーンもそうでしたけど、新選組の3人が茶屋に入る入らないの問答のシーンも個人的にはダメでした。
史実パロディものとしては…
同じく2025年の作品で言うと、当時はそこまで強く評価していなかったのですが『ベートーヴェン捏造』は、シリアスとコメディのバランス感覚が素晴らしい作品だったなと改めて感じました。
本作の構成に対して感じるモヤモヤ感のようなものが、こちらを観るとスッキリするのではないでしょうか。
余談
映画の前に映画『SAKAMOTO DAYS』の予告が流れたのですが、目黒蓮のアクションは、想像どおり格好良くてパッと見の印象は非常に良かったです。
変なアドリブ風のシーンを入れるのだけやめてくれたら良い作品になりそうなので、目黒蓮というスターを起用したプレッシャーが良い方に働くことを祈っています。