2026年冬ドラマの初回放送を観た、感想・レビューです。

今期の初回感想は、全体的に辛口になってしまいました。
が、否定的なことを書いていたとしても、2話以降で面白くなって完走する可能性もあるし、その逆もしかりです。
あくまでも、1話を観た時点での感想という前提で、お読みいただけますと幸いです。
- 夫に間違いありません
- 再会~Silent Truth~
- 未来のムスコ
- おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-
- プロフェッショナル保険調査員・天音蓮
- パンダより恋が苦手な私たち
- ヤンドク!
- 婚活バトルフィールド37
- 元科捜研の主婦
- 探偵さん、リュック開いてますよ
- 冬のなんかさ、春のなんかね
- ラムネモンキー
- リブート
- まとめ
夫に間違いありません

夫が死んだと勘違いして生命保険を受け取った妻が、保険金を守るために嘘を上塗りしていく地獄のようなドラマ。
初っ端から主人公にとって不都合なことが、立て続けに起こりすぎてとにかくつらい。主人公の妻は、夫の残したおでん屋さんを切り盛りしている設定なのだが、主演の松下奈緒がどうしたって一般人に見えないので、あまり良いキャスティングではないと思う。
妻は被害者でもあるのだが、だんだん加害者っぽくもなってくるので、本来的にはもっと可哀そうに見えるタイプの役者さんをキャスティングしておかないと、彼女の身勝手ともとれる行動に、観ている人がイライラしそうだ。
今後の展開次第な気もするけど、このまま落ちていくにしても、半沢直樹のように立ちはだかる相手をいなしていくにしても、観ている間ずっと辛いので、メンタルパフォーマンスがいいとは言えないドラマ。
いくら考察ものがウケやすいとは言え、昨今の視聴者の忍耐力のなさを舐めてはいけないと思う。
再会~Silent Truth~

子どものころに犯した何らかの罪があって、それが大人になって露見するという展開やタイムカプセルの存在が起点になるところなど、前クールのドラマ『良いこと悪いこと』が想起される。
でも、観ていくと物語の大きな筋はまったく違い、こちらのほうが地に足ついている感じがする。
1話を観た感触でしかないが、このあとの展開次第ではどんどん面白くなっていきそうな予感も秘めた作品。
未来のムスコ

志田未来が主演という珍しさもあって、今クールのなかでは期待していたドラマ。
が、1話の段階では、まだ視聴の軸が定まらない感触を覚えた。
親子愛ドラマなのか、SF的なコメディなのか。はたまた、裏に何らかの設定が隠されているのか…。
話の筋書きに合わせてキャラや世界観が後づけで描かれている感がありありで、リアリティラインはかなり甘い。
だからダメってこともないのだが、役者を目指すが芽が出なくて年齢的なタイムリミットが迫っている、という主人公の生きづらさに共感させようとするのであれば、ドラマのリアリティはもう少しあっても良かったかもしれない。
友人との食事会シーンなどはテンプレすぎた。
漫画だと気にならなくても、実写で人が演じると嘘くさく感じられることは多々あるので、その辺りは気を配ってもらいたかったところ。
とはいえ、設定的にはこれからもっと面白くなりそうな予感もするので、現時点で立ち上がりが多少悪くても、3~4話くらいまでは見守りたいという印象にはなっている。
おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-

米倉涼子の『ナサケの女』と比べてしまうのは老害だと思いつつも、まぁ比べてしまう。
主人公を演じる松嶋菜々子は有能な国税局員の設定。
着任早々、オフィスでお米を炊くなど謎ムーブをかまして、不思議キャラのアピールに余念がないが、表面的な設定を張り付けたところでキャラクターは粒だってはこない。
それだけなら、まぁこれから徐々にと思えたのだが、観ていてこりゃダメだと確信したのは、松嶋菜々子が犯人に詰め寄るときに目が泳いでいたこと。
カンペでも読んでいるのかと思うほどの目の泳ぎようで、そりゃないよと思った。
脱税している犯人を追い詰めるわけだから、それなりの迫力や眼力を出さないといけないはずなのに、それがないのは本作にとって致命傷だ。
プロフェッショナル保険調査員・天音蓮

予告を観て、これは良いコメディの香りがすると思っていたのだが、予感は的中。
玉木宏のイケメンだが癖のあるキャラクターと岡崎紗枝のこれまた違ったベクトルで癖のある性格がぶつかり合って、素敵な凸凹コンビが結成されていた。
『うちの弁護士は手がかかる』で、平手友梨奈とムロツヨシのコンビを見たときにもニンマリしてしまったけど、これもワンシーン観た瞬間に、間違いないと確信できた。
それくらい2人ともハマっているし、キャラクターの相性もいい。
ドラマ的には事件解決の要素も含まれているのだが、そちらの線も悪くなく、気軽に楽しめるコメディ×探偵モノのドラマになっている。
パンダより恋が苦手な私たち

まったく期待していなかったけど、生田斗真と上白石萌歌の組み合わせが意外で、観てみたらけっこう良かった。
「動物のほうが、人間よりも恋愛が上手」という着想が面白い。
上白石萌歌と生田斗真のかけあいも良いが、彼女が恋愛コラムを依頼する相手となるモデルの灰沢アリア(シシド・カフカ)との関係も会話劇として面白く、ずっと観ていたい組み合わせだった。
昨今の恋愛離れ的な要素を取り入れつつ、そこに動物要素が加わることで、良い意味で毒気が抜けて、カジュアルに楽しめるドラマになっている。
ヤンドク!

ここ最近の橋本環奈の出演ドラマのなかでは、かなり良い印象。
元ヤンキーの医者が、拝金主義でルールでがんじがらめの病院のなかで「筋を通していく」という展開。
『ドクターX』と『ごくせん』を合体させたような作品だが、その試みはなかなか上手くいっているのではないかと思った。
橋本環奈の可愛さが存分に発揮されていたし、主人公のヤンキー設定が生きる話運びにもなっている。
情に厚い熱血医師で、熱意に負けず腕前も良いという設定なので、観ていて爽快感もある。
手術シーンは、アニメーションで処理されていて医療モノ特有のグロさがカットされている。
普段、医療ドラマを観ない層にもアプローチしたくてあえて狙ってやっていると思われる。映像作品としてはやや違和感はあるものの、本作はシリアスな医療モノではないので、これはこれでありだ。
婚活バトルフィールド37

最近、話題になることが多くなってきた婚活界隈をネタにしたドラマ。
婚活界隈のYOUTUBEチャンネルなどもたまに観るが、そっちのほうが遥かに理論・価値観的に進歩している。
比べると、本作で扱っている世界観がもはや化石に思えてしまったのは「トレンディ」であるべきTVドラマとしては致命的だ。
原作漫画が配信されていたときはその価値観が旬で面白かったはずだけど、何年か経つとその考えがもうズレていて当時ほどは面白くないことも当たり前にあるので、時代を捉えた漫画原作を扱うときには注意が必要だと思う。
放送時間帯や制作予算が違うことは百も承知だが、似たテーマのドラマとして、上記の『パンダより恋が苦手な私たち』のほうが、いまの空気を上手く取り込んでいると感じてしまった。
元科捜研の主婦

元・科捜研のエースだった吉岡詩織(松本まりか)が、夫の捜査一課の新米刑事(横山裕)を手助けしながら事件を解決に導くという、コメディ刑事ドラマ。
元〇〇が活躍して事件解決の作品は過去にもたくさんあった気がするが、そのフォーマットに期待する通りの展開が楽しめる。
出ている役者さんが好きなら楽しくみられる、手堅い作品になっていると思う。
一方で、この先、特に驚くべきことが起きそうな気配がないドラマでもあるので、ここからの大爆発はないだろうとも感じる。
探偵さん、リュック開いてますよ

つかみどころのないドラマだ。でも、それは制作側の意図通りなのだろう。
松田龍平が演じる探偵は発明家でもあるという設定で、悪口をエネルギーにして動くキックボードやリック型のジェット噴射器などが登場する不思議な世界観。
最近のドラマで言えば、当たり前のように宇宙人が日常に溶け込んでいる、『ホットスポット』が近いと言えば近い。
彼の身の回りで小さな事件が起こり、それがゆるーく解決されていく展開で、ゆるっと観られる雰囲気がある。
今後、どういう展開になっていくのか分からないが、松田龍平の演じるつかみどころがなく飄々としたキャラクターは、まさに彼に期待する人物像そのもので、好きな人はハマること間違いなしだと思う。
自分もこういうドラマは、夢中になることはないのだけど、ダラダラと何となく観てしまう。
冬のなんかさ、春のなんかね

先鋭的で実験的なドラマ。
脳に特性がありそうな人たち風の、非常にまわりくどい会話劇が1話まるまる繰り広げられ、おったまげた。
1話で観た内容がすべて、主人公の小説家である文菜の頭の中にある世界だとするならば合点がいくのだが、そうでないとしたら、この人たちの会話のあまりにもお芝居くさすぎるセリフ回しをどう受け止めればいいのだろうか。
杉咲花の演技はさすがだし、冒頭のコインランドリーの演出もイカしているとは思ったが、いかんせん会話劇としてはそこまで面白くなく、いまのところは冗長に感じられる。
ただ、新しいことをやろうと試みているのはビンビンに感じるので、ドラマウォッチャー的には観るしかないという、嬉しいんだか迷惑なんだかよく分からないドラマになっている。
とは言え、演劇的な見ごたえはたっぷりあるので、2話以降で物語の筋が面白くなってきたら、一気に化ける予感もしている。
今クールのダークホース的な作品であることは間違いない。
ラムネモンキー

まったくのノーマークだったが、1話の感触では今クールでずば抜けて面白そうと感じたドラマ。
感触としては、前クールの『ちょっとだけエスパー』に近い。
大きな謎が提示されて、それが少しずつ明かされていく展開。
早くも次週が楽しみで、次の話を先取りで観られるFODに入会するかちょっと迷ってしまったほど。
主演の反町隆史、大森南朋、津田健次郎は幼馴染という設定なのだが、並ぶと本当にそれらしく見えてくる仕上がりで絵面がいい。おじさん3人組のなかで紅一点となる福本莉子も、バランサーとして機能している。
あと、2話目以降にどの程度、登場してくるかは未知数だが、行方不明になった謎の先生役の木竜麻生は、いま最も旬な俳優と言ってもいいくらいの人で、そういう意味でも今後の登場が楽しみだ。
リブート

久々の戸田恵梨香、主演。
無実の罪を着せられたパティシエの早瀬陸(松山ケンイチ)が、別人(鈴木亮平演じる捜査一課の刑事)に成りすまして、戸田恵梨香演じる公認会計士の幸後一香と一緒に、真犯人を突き止めるという筋書き。
カジュアルながら重厚さも感じさせる展開で、今後の放送がシンプルに楽しみだと思える。
ラムネモンキーと並んで、今期、続きが楽しみなドラマのツートップだ。
ただ今後の懸念として、日曜劇場らしく役者が豪華で芝居が安定しているから重厚に見えるだけであって、話の展開的に、リアリティラインはかなり甘めの作品にも見える。
主人公の逃走劇はなんで捕まらないのかと思えるユルい展開だったし、港区のレストランの奥に怪しげなVIPルームがあり…という設定もベタ。
悪人のキャラクターもいかにもな設定なので、ここからの展開次第では、がっかりパターンの日曜劇場になる可能性もある。最近だと、『キャスター』がそんな感じだった。
『VIVANT』くらいぶっ飛んだ設定になると、リアリティのなさは気にならなくなるのだが、本作は、ちょうど良くない狭間に落ちそうな雰囲気がある。
まとめ
特に感想は書きませんでしたが、前クールから引き続き、朝ドラの『ばけばけ』は快調で、ますます面白さが増しています。これはもう殿堂入りと言ってもいい状況。
今クールにスタートしたドラマで言えば、『リブート』と『ラムネモンキー』が、個人的には頭一つ抜けて2強です。次週の放送が楽しみに思える展開。
『冬のなんかさ、春のなんかね』が大化けする可能性にも期待しています。
毎クール、1話だけは大量に観るけど、その後、半分以上が脱落するのですが、いま挙げた3作は、多少期待外れの方向に傾いたとしても、最後まで観るような気がしています。