映画『F1』ネタバレ感想です。ブラピの魅力やストーリー設定の魅力について語ります。

『F1』観てきました!
『トップガン・マーヴェリック』を手がけたスタッフが再結集し、ブラッド・ピットを主演に迎えて製作した作品。
布陣が完璧だし、まぁ良い映画になるだろうなと思っていたら、想像以上にいい映画すぎてびっくり。
トップガン・マーヴェリックと手触りとしては似ています。
物語展開は超王道でひねりはないけど、真正面からエンタメ1本で突き抜けて面白いタイプの映画です。
※構造自体も似ているところがあり、最後に軽く触れています
ストーリーは超ド級の王道
ブラピ演じる、伝説的なカリスマF1ドライバーのソニーが主人公。
彼はかつて、わけあってF1の世界を去り、世界中のカーレースを渡り歩いていたが、旧友の誘いを受けて、F1に現役復帰することに。
ただ、彼が復帰したレーシングチーム「エイペックス」は最下位に低迷しており、スポンサーを失う危機に瀕していた。
ここからブラピの大活躍で、チームは順位を上げ勝利の栄光を掴み取ります。
弱小チームが、ブラピの参入で活気づいて、二転三転はあるけど、最後にはチームが結束して事をなすという、王道のサクセスストーリーです。
シンプルに言うとこれだけの話なのに、2時間半ずっと楽しい。
オチが見えていても、勝ち上がっていくプロセスは痛快でした。
「マネーボール」のブラピが、GMと選手の二刀流するようなすごい映画
好きなブラッド・ピット作品に「マネーボール」というのがあります。
これはメジャーリーグの弱小球団のGM(ゼネラルマネージャー)役のブラピが、チームを立て直していくアンダードック的なストーリーが魅力の作品です。
本作は、マネーボールで見せたような、「参謀・策士」的なブラピの魅力に加えて、F1レーサー=プレイヤーとしての活躍も合わさり、ブラピのカッコよさが2倍堪能できる映画になっています。
F1についてまったくの無知で、同じチームから一つのレースに2台出場OKとか、コース取りやピットインするタイミングなど、深い戦略やレースのかけひき、チームワーク的な要素が重要なことなどを、今回初めて知りました。
(マシン性能とドライバーの技術・センスだけの競技だとおもっていた…)
そんな自分でも、ブラピ演じるソニーの打ち出す奇策がハマっていく様には興奮させられました。
知っている人が見るとより深く理解できるのかもしれませんが、ルールを知らなくてもちゃんと雰囲気で分かる展開になっていたのは親切でした。
本作には、いわゆる「敵役」が出てこない。それこそが「F1」の本質なのだろう
この映画、基本的には「面白いから観ろ」以外の感想はないのですが、最後にちょっと批評っぽいことも書きます。
本作には、いわゆる「敵」が出てこない
ソニー・ヘイズにとって、同じチームの若手のエースであるジョシュア・ピアスはライバル的存在ではありますが、彼はチームメイトでもあります。
二人同時にレースに出場できるので、レギュラー争いをする関係でもありません。
そして、よその強豪チーム、フェラーリやレッドブル、マクラーレンなどの選手はほぼ出てきません。敵チームのドライバーとの関係は一切描かれないのです。
この物語は、万事が万事、自分たちとの戦いなのです。
自分自身との戦いは、F1という競技の本質なのではないか
ソニーは、復帰当初はブランクにより思い通りの走りができずに苦しみますが、ひたむきな努力と自分が負けてもチームの勝利に貢献する彼なりの哲学をもって、自身が理想とする走りを追求します。そして最後にはここ一番でゾーンに入ることができ、勝利を手にします。
ジョシュアは、プライドが高く自分の才能に甘えているところがある。しかし、彼はソニー・ヘイズの登場により、ライバル心に火がついて、才能を開花させていきます。そして自分自身の心の弱さを克服して、ソニーの実力を認め、最高のチームワークで勝利に貢献します。
さらにピットクルーなど、バックヤードのスタッフたちにおいてもこれは同様です。
当初はピットインした際のタイヤ交換がもたついていたり、マシンの性能の低さをドライバーのせいにするなど、弛んだマインドだったのが、やがてプロフェッショナルとしての誇りを取り戻し、ラストレースでは、最高のパフォーマンスを発揮します。
自分はF1という競技に対して無知ですが、自分と向き合う、チームの仲間たちと向き合うというスタンスは、F1という競技の本質なのではないかと思ったりもしました。
トップガン・マーヴェリックとの類似点
思えば、トップガン・マーヴェリックも、具体的な敵の姿は描かれない作品でした。
仲間や自分と向き合う時間が本質で、それを乗り越えた先に未来が開けるという展開はまったく同じフォーマットです。
一方、トム・クルーズとブラッド・ピットで、演じるヒーロー像が明確に異なるので、その辺りは個人の好み次第かもしれません。
トムが演じるのは、清廉で理想的なヒーロー像。
ブラピが演じるのは、泥臭さもあるタフなヒーロー像。
そういえば、こんなニュースもありましたね。
トム・クルーズ、生身スタントのこだわりが強すぎで「F1」映画の主演を逃す
ただまぁスタント云々ではなく、この役がブラピにハマりすぎているので、映画を観終わったいまとなっては、主演はブラピ以外は考えられないのが正直な感想です。